1659年に大阪の漢方医だった中村吉右衛が瀬戸内海の真ん中にある鞆の浦に移り、醸造業が栄えていた鞆の浦のお酒と、吉兵衞の漢方の知識が合わさって生まれた、16種類の生薬を漬け込んで作った薬酒。清酒などと違い、もち米に麹を加えてさらに焼酎を加え、そこへ16種類の薬味を漬け込み、その有用成分を損なわないように時間をかけてゆっくりと抽出して製造される。幕府の庇護を受けたことで、保命酒は高級品とされ、幕末、アメリカからペリー提督がやって来た際にも保命酒がふるまわれたと記録されている。酒に含まれるアルコールと抽出された成分によって体が温まり、滋養成分が早く体に吸収される。1回の飲用量は約20~30ml程度、これを1日に数回ロックや水割り、炭酸割り、ウーロン茶割りなどで飲用するのが適正とのことだ。