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竹原市歴史民俗資料館

(たけはらし れきし みんぞく しりょうかん)

竹原市歴史民俗資料館は、広島県竹原市本町に位置する博物館です。1980年(昭和55年)6月に開館し、1929年(昭和4年)に町立竹原書院図書館として竣工した建物を使用しています。この建物は、たけはら町並み保存地区(竹原市竹原地区重要伝統的建造物群保存地区)にあり、保存地区の一部として地域の歴史や文化を伝えています。

ただし、この建物は有形文化財としての指定や登録はされていないものの、その建築自体に歴史的価値があり、訪れる人々に竹原の歴史を体感させる重要な施設となっています。

歴史

たけはら町並み保存地区の成り立ち

竹原は、江戸時代に「安芸の小京都」として栄えた町です。江戸時代中期、この地には医者であり儒学者でもある塩谷道碩の屋敷がありました。塩谷道碩の死去後、寛政5年(1793年)には門人である頼春水頼春風によって学問所「竹原書院」が設立され、学問と文化の中心地として機能しました。

竹原書院は文化10年(1813年)に焼失してしまいましたが、その後も地域の学問・文化に対する貢献は続き、1910年(明治43年)には社団法人竹原書院として再発足しました。この動きが後に竹原の公共図書館設立へと繋がります。

町立竹原書院図書館の歴史

1929年(昭和4年)、洋風建築による町立竹原書院図書館が竣工しました。この図書館は42年間にわたり、竹原の公共図書館として地域住民に親しまれ、学問の場としても利用されました。

1958年(昭和33年)には豊田郡竹原町と忠海町の合併により竹原市が発足し、図書館も市立図書館「竹原書院」として名称が変更されました。しかし、1972年(昭和47年)には塩田跡地に竹原福祉会館が竣工し、竹原書院図書館は竹原福祉会館内に移転しました。

竹原市歴史民俗資料館の設立

竹原書院図書館が竹原福祉会館に移転した後、旧図書館の洋風建築は一時空き家となっていましたが、1980年(昭和55年)6月に竹原市歴史民俗資料館として再活用され、開館しました。現在では、竹原の歴史と文化を広く紹介する資料館として多くの観光客に利用されています。

展示内容

竹原市歴史民俗資料館では、江戸時代以降に竹原の産業の基盤となっていた竹原塩田に焦点を当て、竹原の歴史や文化、そして地域の民俗に関する資料を展示しています。特に、塩の生産や地域の産業に関する資料は、竹原がどのようにして発展してきたかを知る上で貴重なものとなっています。

建築概要

建物の特徴

竹原市歴史民俗資料館の建物は、1929年(昭和4年)に建てられた洋風木造建築です。設計者は、戦前の広島県を代表する建築家である豊田勉之です。この建物は2階建てであり、屋根はスレート葺き、外壁は板張りという特徴を持っています。外観は当時の洋風建築の様式を色濃く残しており、訪れる人々に歴史的な雰囲気を提供しています。

建物の保存状況

この建物は、文化財としての指定は受けていないものの、町並み保存地区に位置していることから、地域の歴史や文化を伝える貴重な存在となっています。その保存状況は良好で、今後も竹原市の歴史を伝える重要な役割を果たし続けることでしょう。

利用案内

営業時間

竹原市歴史民俗資料館は、毎日10:00~16:00まで開館しています。ただし、火曜日は休館日となっており、祝日の場合は開館しています。また、年末年始の12月27日から1月3日までは休館となります。

入場料

入場料は大人200円で、18歳以下の方は無料です。また、竹原市在住の75歳以上の方も無料で入場することができます。

アクセス

JR呉線竹原駅から徒歩約15分で到着します。竹原の歴史を感じながら町並みを散策するのもおすすめです。

Information

名称
竹原市歴史民俗資料館
(たけはらし れきし みんぞく しりょうかん)

竹原・三原

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