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安芸灘大橋

(あきなだ おおはし)

安芸灘大橋は、広島県呉市の本州側と下蒲刈島を結ぶ道路橋であり、「安芸灘大橋有料道路」として有料で運営されています。2000年1月に供用開始されたこの橋は、安芸灘諸島を8つの橋で結ぶ「安芸灘諸島連絡架橋事業」の一環として架橋され、その中でも唯一の有料橋として知られています。さらに、1999年には全建賞道路部門、同年には土木学会田中賞作品部門を受賞した、技術的にも評価の高い橋です。

橋の概要

安芸灘大橋は、広島県道74号下蒲刈川尻線の一部を構成しており、広島県道路公社が管理しています。この橋を含む総事業費は487億円で、そのうち110億円を賄うため、2030年1月まで償還が行われる予定です。橋の全長は1,175mであり、2014年の時点で国内では9位の長さを誇る吊橋です。また、広島県内では因島大橋に次ぐ2番目に長い橋でもあります。

特徴的な吊橋

安芸灘大橋は、都道府県が整備した一般県道に架かる吊橋としては日本最長のものです。この美しいライトブルーの吊り橋は、本土と下蒲刈島を結び、景観の美しさと技術の高さを誇る橋です。特に、安芸灘とびしま海道の玄関口として知られ、多くの観光客や地元の住民に利用されています。有料道路ではありますが、自転車や徒歩での通行は無料です。

安芸灘大橋の役割

安芸灘大橋は、地域の産業振興と交流圏の拡大において重要な役割を果たしています。海と島々の美しい景観を楽しむことができ、またその利便性から、観光客にとっても大変魅力的な場所です。橋の本土側には「安芸灘公園」、下蒲刈島側には「白崎園」があり、訪れる人々を温かく迎えるゲートウェイとなっています。

構造と技術

安芸灘大橋は、国内最大級の吊橋として技術的にも非常に優れています。特に、橋が架かる「女猫の瀬戸」は、天然タイなどが獲れる良質な漁場であることから、橋脚や基礎を海域内に置かないように配慮されています。さらに、大型船舶の航行が多いため、桁下40m、可航幅560mという大きな航路限界が設定されています。この条件を満たすため、中央支間が750mの長大吊橋が選ばれました。

安芸灘大橋の構造詳細

安芸灘大橋の全長は1,175mで、そのうち中央支間が750mと大きく、本州側が255m、下蒲刈側が170mという非対称な支間割が特徴です。この設計により、他の長大吊橋に比べて細身でアンバランスな外観が生まれました。このため、風洞実験を行い耐風安定性が確認されています。

安芸灘大橋の諸元

所在地: 広島県呉市
起点側: 下蒲刈町下島 - 終点側:川尻町小仁方
交差物件: 女猫瀬戸(瀬戸内海)
座標: 北緯34度12分24.0秒 東経132度40分46.5秒
路線名: 主要地方道下蒲刈川尻線(安芸灘大橋有料道路)
区間: 広島県呉市下蒲刈町下島字見戸代(下蒲刈川尻線交点)から広島県呉市川尻町小仁方一丁目(国道185号交点)まで
延長: 2.639km
設計速度: 40km/時
車線数: 2車線
道路幅員: 全幅10.0m(車道6.0m + 歩道2@2.0m)
橋梁形式: 3径間連続2ヒンジ補剛箱桁吊橋
主塔高さ: 119.45m

地域への影響

安芸灘大橋は、観光客にとっても地域住民にとっても重要な交通手段であり、海と島々を結ぶ役割を担っています。この橋がもたらす利便性によって、地域の産業が活性化され、観光産業も大いに発展しています。また、風光明媚な景色を楽しむことができることから、観光地としての人気も高まっています。これにより、広島県の経済に大きく貢献しています。

Information

名称
安芸灘大橋
(あきなだ おおはし)

呉・江田島

広島県