広島県 » 呉・江田島

呉市立美術館

(くれ しりつ びじゅつかん)

呉市立美術館は、広島県呉市の入船山公園内に位置する美術館です。この美術館は、呉市の歴史と文化を深く感じることができる場所であり、芸術鑑賞や散策を楽しむ多くの人々に親しまれています。美術館の建築は、美しい自然に囲まれた入船山公園の景観に見事に溶け込んでおり、館内では国内外の著名な芸術家の作品が収蔵・展示されています。

概要

呉市立美術館は、1982年(昭和57年)8月、呉市制施行80周年記念事業の一環として開館しました。その後、1993年(平成5年)には、収蔵庫や喫茶スペースを兼ねた別館が新築されました。本館は地上2階、地下1階の構造であり、別館は地上1階建てとなっています。美術館の正面には、枯山水の庭が広がり、伝統的な本瓦寄棟造りの建築様式や、亀甲模様の煉瓦タイル、イタリア産大理石の内装などが特徴です。この建築様式は、入船山記念館との調和を考慮して設計されています。

美術館通り

美術館へのアクセスは、美しく整備された坂道「美術館通り」を通ります。この道は、1981年(昭和56年)に美術館開館に先立って整備され、1987年(昭和62年)には一般公募で正式に「美術館通り」という名称がつけられました。また、建設省(現・国土交通省)により「日本の道100選」や「手づくり郷土賞」に選ばれるなど、歴史的価値と美的魅力が高く評価されています。美術館通りは、赤れんがが敷かれた並木道で、18体の彫刻が点在しており、美術館と一体となった美しい景観が特徴です。訪れる人々にとって、散策や憩いの場としても親しまれています。

館内の展示品

呉市立美術館には、著名な芸術家の作品が数多く収蔵されています。特に、アントワーヌ・ブールデルの「弓をひくヘラクレス」や、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「麦わら帽子の少女」などが代表的な作品です。これらの作品は、美術史において重要な位置を占めており、訪れる人々に感銘を与えます。

主な収蔵品

アントワーヌ・ブールデル:「弓をひくヘラクレス」
ピエール=オーギュスト・ルノワール:「麦わら帽子の少女」
奥田元宋:「焼岳」
児玉希望:「雨後」
平山郁夫:「大毗波沙国桃源境」
小磯良平:「横たわる女」
南薫造:「庭」
また、これらに加えて地元出身の芸術家たちの作品も数多く展示されており、地元の文化や歴史を感じることができます。

美術館通り

美術館通り(びじゅつかんどおり)は、広島県呉市にある全長約200mの通りで、美術館へのアクセス路として知られています。美術館通りは、呉市中心部(国道487号)から国立病院機構呉医療センターへと続く一方通行の道です。

歴史と背景

1981年(昭和56年)に整備された美術館通りは、呉市立美術館の開館にあわせて設計されました。この道は、法的には「呉市道幸町3号線」として知られていますが、1987年(昭和62年)の公募によって「美術館通り」という愛称が付けられました。この通りは、戦前には呉市街地と海軍工廠、海軍病院などを結ぶ重要な道でありましたが、1980年代に入って文化ゾーンとして整備され、現在の姿となりました。

美しい景観

美術館通りの特徴は、その美しい景観にあります。歩道はレンガ調のタイルやブロックが敷き詰められ、並木道には15体の彫刻が点在しています。これらの彫刻は、呉市の芸術文化を象徴するものとして設置されており、訪れる人々に芸術の香りを漂わせます。1987年(昭和62年)には、旧建設省(現・国土交通省)と「道の日」実行委員会により「日本の道100選」に選ばれ、同年には「手づくり郷土賞(ふれあいの並木道)」を受賞しています。

沿道の彫刻作品

美術館通りには、多くの彫刻作品が設置されています。以下は、その主な作品です。

入船山公園

入船山公園(いりふねやまこうえん)は、広島県呉市にある歴史と文化を感じることのできる都市公園です。この公園は、自然林に囲まれた美しい景観を誇り、北側には「入船山記念館」や「呉市立美術館」といった文化ゾーンが広がり、南側には市民が集う「市民広場」が広がっています。

歴史的背景

入船山公園のある場所は、古くから重要な歴史的な地点として知られています。703年(大宝3年)には亀山神社が創建され、1889年(明治22年)には呉鎮守府司令長官官舎が建設されました。戦後は、イギリス連邦占領軍の司令長官庁舎として利用され、1956年(昭和31年)にはその役割を終えました。その後、この場所は公園として整備され、現在に至っています。

Information

名称
呉市立美術館
(くれ しりつ びじゅつかん)

呉・江田島

広島県