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灰ヶ峰

(はいがみね)

灰ヶ峰(灰が峰)は、広島県呉市の市街地北部にそびえる独立峰です。標高は737メートルで、呉市にある山々の中で、野呂山に次ぐ高さを誇ります。この山はその景観や歴史的な背景から、多くの人々に愛される場所となっています。

歴史と背景

灰ヶ峰の名前は、江戸時代後期に発行された『官板実測日本地図』では「蝿ヶ峰」と記されていたことがわかっています。これは慶応3年(1867年)のことです。第二次世界大戦中には、呉市が軍港として重要な役割を果たしていたため、この山には海軍の高射砲施設が設置されていました。そのため、一般の人々の立ち入りは制限されていたのです。

現在、灰ヶ峰の頂上には、当時の高射砲台の基部を利用した展望台があり、呉市街地や瀬戸内海の美しい景色を一望することができます。また、頂上付近の平坦な部分には、気象庁の無人測候所が設置されており、ここは戦後すぐの時期に進駐軍のレーダー基地として使われていました。

山頂の施設

山頂には、直径6.7メートルの白いドーム型の気象レーダー「広島地方気象台 灰ヶ峯気象レーダー観測所」や電波塔、展望台、そして駐車場が整備されています。この展望台からは、呉市街地や瀬戸内海に浮かぶ美しい島々が広がり、まるで360度のパノラマを楽しむことができるのが魅力です。

夜景スポットとしての灰ヶ峰

灰ヶ峰は、広島県内でも屈指の夜景スポットとして知られています。その美しさから、夜景100選にも選ばれており、呉市の街並みが広がる夜景はまるで平仮名の「くれ」の文字に見えると言われています。この「くれ」という光の形を見たカップルは結ばれるというロマンチックな言い伝えもあります。

また、灰ヶ峰は初日の出スポットとしても非常に人気があります。しかし、山頂にある駐車場はわずか6台分しかないため、初日の出の時期は混雑が予想されますので、早めの到着を心掛けると良いでしょう。

文化・メディアに登場する灰ヶ峰

呉市出身のアーティストBluem of Youthのシングル「線路沿いの恋」には、灰ヶ峰の夜景が描かれており、その美しい光景が歌詞に反映されています。また、呉市在住の漫画原作者田島隆の作品『カバチタレ!』にも、灰ヶ峰からの眺望が描かれており、地域に深く根付いた山としてその存在感を放っています。

灰ヶ峰の夜景の魅力

灰ヶ峰は標高737メートルと、日本三大夜景で知られる函館山の2倍以上の高さを誇ります。そのため、夜景はまるで天上から街を見下ろすかのような感覚を味わうことができます。宝石のように輝く街の灯り、呉港に浮かぶ船、そして月明かりが織りなす風景は、まさに呉のロマンチックスポットといえます。

また、光の筋が「くれ」と読めるように見える時、そのカップルは永遠に結ばれるという噂もあり、多くの恋人たちが訪れる場所となっています。

アクセス

灰ヶ峰へアクセスするためには、JR呉駅から呉市生活バス(東和交通)の苗代下条行きに乗車し、「柳迫灰が峰登山口」で下車するのが便利です。呉市街地からもアクセスが容易で、観光客や地元の人々に親しまれています。

その他の受賞歴

灰ヶ峰は、数々の夜景ランキングにも選ばれており、その美しさが広く認められています。例えば、中四国三大夜景(じゃらん中国・四国 2003年12月号)、夜景100選(新日本三大夜景・夜景100選事務局)、日本夜景遺産(日本夜景遺産事務局)などに選ばれています。これらの称号は、灰ヶ峰の夜景の美しさとその文化的価値を示すものです。

最後に

灰ヶ峰は、その歴史的背景や豊かな自然、そして美しい夜景で多くの人々を魅了しています。山頂からの壮大な景色や、夜景のロマンチックな雰囲気は、一度訪れたら忘れられない感動を与えてくれることでしょう。ぜひ、あなたも灰ヶ峰を訪れ、その美しさを実感してみてください。

Information

名称
灰ヶ峰
(はいがみね)

呉・江田島

広島県