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野呂山

(のろさん)

野呂山(のろさん)は広島県呉市に位置する標高839mの山で、膳棚山と弘法寺山を結ぶ東西2kmの高原の総称です。瀬戸内海国立公園に指定されており、美しい自然景観と歴史的な背景を持つ場所として知られています。

概要

野呂山は瀬戸内海国立公園の中で、神戸の六甲山に次ぐ高さを誇ります。広島県南部に位置しているため、県北部の山々と比べ、近隣の都市部からもアクセスが良く、観光やレクリエーションに最適です。

地質

野呂山は約8000万年前にマグマが地表に噴出してできた流紋岩が、約300万年前の地殻変動によって隆起して形成されました。この過程で、冷却された岩に様々な方向の割れ目が入り、大重岩・小重岩などの珍しい岩石や奇岩が生まれました。また、崩れた大きな岩が谷から落ち、岩が集まって形成された「岩海」も見どころの一つです。

レクリエーション利用

野呂山は登山やキャンプ、アウトドア活動に最適な場所です。四季折々の自然を楽しめる場として、春は桜、夏はツバキやアジサイ、秋には紅葉が美しく、訪れる人々を魅了します。また、野呂神社や弘法寺といった歴史的な観光地もあり、日帰りのドライブやツーリングを目的に訪れる人も少なくありません。

山頂の寒冷な気候を利用して、コチョウランやバラの生産も行われており、毎週金・土曜日には温室内の見学も可能です。訪れる観光客にとって、四季折々の花や植物と共に自然散策を楽しむことができる場所となっています。

アクセス

野呂山へは国道185号を経由し、川尻町方面から「野呂山公園入り口」よりさざなみスカイラインを利用して頂上付近までアクセスすることができます。このスカイラインは元々有料道路でしたが、現在は広島県道248号野呂山公園線として一般道になっています。公共交通機関では、JR呉線の安芸川尻駅が最寄り駅です。

登山道と展望台

野呂山は、ひろしま百山の一つに数えられ、どんどん登山コースやかぶと岩コースなど複数の登山道が整備されています。中腹には鉢巻展望台や珍岩を見ることのできる岩海遊歩道があり、頂上付近には昭和池、野呂神社など様々な方向に向かう道が十文字ロータリー交差点で分岐しています。

また、駐車場や野呂高原ロッジ、野呂山ビジターセンター、筆作り資料館、オートキャンプ場などの施設が充実しており、山頂付近にはキャンプ場やロッジがあり、自然と共に様々なレジャーを楽しむことができます。

夜景と展望

広島県で夜景スポットとして有名なのは呉市の灰ヶ峰ですが、野呂山もまた絶景の展望台を持っています。川尻の街が小規模なため、夜景自体はそれほど華やかではありませんが、海沿いから裾野が広がり、標高839mの山頂からは瀬戸内海の多島美と沈む夕日を一望できます。特に空気が澄んだ日には、四国の新居浜市や石鎚山まで眺望できることがあります。

歴史

野呂山は古くから霊山として信仰の対象となっており、弘法大師(空海)が入山修業を行った場所でもあります。山頂にある弘法寺は、その歴史的背景を持ち、毎年多くの参拝者が訪れています。また、山の歴史は平家の落人にまつわる伝説や、広島藩の藩士救済のための開拓事業など、多彩な歴史的なエピソードが残っています。

例えば、1828年(文政2年)には広島藩が藩士を救済するために野呂山の開拓を開始し、1892年(明治25年)には氷池が作られ、天然氷の製造が行われるなど、時代ごとに野呂山の歴史に関わる重要な出来事がありました。

現在の施設

野呂山には、国民宿舎野呂山高原ロッジや野呂山ビジターセンター、岩海遊歩道、筆作り資料館など、多くの観光施設が整備されています。キャンプ場やオートキャンプ場、複数の展望台もあり、訪れる人々にとっては四季を通じて楽しめるレクリエーションスポットとなっています。

また、星降る展望台やかぶと岩展望台からは、夜空の美しい星空や、日中には瀬戸内海の絶景を楽しむことができ、訪れた人々を魅了します。

アクセス方法

国道185号の「野呂公園入り口」交差点から車で約20分で山頂ロータリーまで到達できます。また、JR呉線安芸川尻駅から登山道入り口までは徒歩約15分、山頂までは約120分かかります。バスも川尻町から利用可能です。

Information

名称
野呂山
(のろさん)

呉・江田島

広島県