美術館通りは、広島県呉市にある約200mの通りです。呉市の中心部に位置し、国道487号から国立病院機構呉医療センターまでを結ぶ一方通行の道として知られています。この通りは、呉市の歴史的背景と現代の芸術が融合した特別な場所で、多くの観光客や地元の人々が訪れる人気のスポットです。
美術館通りの整備は、1981年(昭和56年)に開始され、名称は1987年(昭和62年)に公募で決定されました。この通りの正式な路線名は「呉市道幸町3号線」とされています。通りは、呉市幸町の入船山公園内に位置する呉市立美術館の南側を通るゆるやかな坂道です。この美術館の開館にあわせて整備され、美術館の外観と調和するように設計された歩道や、点在する屋外美術作品が特徴の並木道となっています。
太平洋戦争以前、この道は呉市市街地と旧日本海軍の施設、海軍工廠や海軍病院を結ぶ重要な道路でした。しかし、1980年(昭和55年)以降、呉市は入船山公園周辺の文化ゾーンの価値を高めるため、美術館の建設と美術館前の通りの整備を進めました。その結果、芸術性豊かな散策路として生まれ変わり、現在の美術館通りが完成しました。
美術館通りは、歩道にレンガ調のタイルやブロックが敷き詰められ、タウンスクエアから美術館、入船山記念館にかけての約200mの区間に、15体の彫刻が設置されています。また、1987年(昭和62年)8月10日の「道の日」には、旧建設省と「道の日」実行委員会によって「日本の道100選」に選定されるなど、その美しさと歴史的価値が高く評価されています。同年、建設省から「手づくり郷土賞(ふれあいの並木道)」を受賞しており、呉市の象徴的な通りとして親しまれています。
美術館通り沿いには、様々な芸術作品が点在しており、訪れる人々に美術の魅力を伝えています。以下に代表的な作品をいくつか紹介します。
美術館通りの周辺には、入船山公園や呉市立美術館、入船山記念館など、歴史的・文化的価値のある施設が数多く存在します。また、海上自衛隊呉基地の関連施設も近くにあり、呉市の軍港としての歴史を感じさせる場所でもあります。これらの施設と美術館通りは、呉市の歴史と現代芸術を融合させた特別な空間を形成しており、訪れる人々に深い感動を与えます。
美術館通りの路線データは以下の通りです。
美術館通りは、呉市の歴史と文化、そして芸術を象徴する特別な場所です。この道を歩けば、かつての海軍の歴史を感じながら、現代美術の魅力に触れることができ、まさに「芸術の散歩道」として多くの人々に愛されています。訪れる際には、ぜひ沿道の美術作品を楽しみながら、呉市の豊かな文化と歴史を感じてみてください。