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常清滝

(じょうせいだき)

常清滝は、広島県三次市作木町下作木に位置する、高さ126メートルの壮大な滝です。1990年(平成2年)4月には、広島県で唯一「日本の滝百選」に選ばれ、広島県の名勝としても広く知られています。江の川の支流である作木川のさらに支流にかかるこの滝は、周囲をケヤキやアベマキ、コナラといった落葉広葉樹が取り囲み、広島県の自然環境保全地域にも指定されています。そのため、美しい緑と清流が織り成す風景が保たれています。

滝の特徴

常清滝は、中生代白亜紀中期に噴出したとされる流紋岩の断崖にかかっており、その落差は126メートルにもなります。滝は三段に分かれており、上から荒波の滝(36メートル)、白糸の滝(69メートル)、玉水の滝(21メートル)という名称がつけられています。滝壷がほとんどないものの、降雨時には増水し、非常に迫力のある光景を楽しむことができます。

周辺環境と自然の美

滝を取り囲む自然環境も素晴らしく、常清滝は広島県の自然環境保全地域に指定されています。滝周辺の渓谷には、ケヤキやアベマキを主とした落葉広葉樹が繁茂し、さらに上流にはトチやミズキが育つ河床高木林が見られます。また、滝の両岸の絶壁には、アラカシやウラジロガシといった常緑広葉樹が自生しており、これらの植物群が見せる四季折々の風景は、訪れる人々を魅了しています。

滝の歴史と文化

常清滝は、古くから地域の住民に親しまれ、宗教的な浄化の場としても大切にされてきました。この滝は、「芸藩通史」という江戸時代の広島藩が編纂した地誌にも「常青瀑」として記されており、歴史的にも重要な存在です。1960年(昭和35年)には、広島県の名勝として指定され、地元の人々だけでなく、多くの観光客にも愛されています。

観光情報とアクセス

観光施設

常清滝周辺には、訪れる人々が快適に滞在できる施設も整備されています。駐車場は乗用車がメインで、大型バスの駐車スペースも数台分用意されています。また、遊歩道が整備されており、滝を間近で観賞できる滝見台も設置されています。滝までの道のりは沢筋を約500メートル、徒歩で10分ほどと、自然散策を楽しみながら滝へたどり着くことができます。滝の周囲には「蛇に注意」の看板が設置されているため、自然の中での安全にも注意が必要です。

周辺の観光スポット

滝の近くには「常清滝キャンプ場」や「権現神社」など、観光客に人気のスポットがあります。また、滝から約1キロメートルの距離には「滝見家旅館」という古風な宿泊施設があり、宿からは滝の上部に位置する「荒波」を望むことができます。自然の中でゆっくりと滞在し、滝の魅力を余すところなく味わうことができるのも、このエリアの魅力の一つです。

交通アクセス

常清滝へのアクセスは、公共交通機関および車の利用が便利です。JR三次駅からは備北交通バスで「作木役場前」停留所まで40分、そこから徒歩で20分ほどで滝に到着します。車で訪れる場合は、中国自動車道三次ICから国道54号および県道62号を作木方面へ進み、三次市役所作木支所の南側にある駐車場を利用すると便利です。自然豊かな場所に位置しているため、アクセスにはある程度の時間がかかりますが、その分到着したときの感動はひとしおです。

まとめ

常清滝は、その壮大な高さと美しい自然環境で、多くの訪問者を魅了してやまないスポットです。広島県で唯一「日本の滝百選」に選ばれたこの滝は、周囲の自然との調和が素晴らしく、四季折々の風景を楽しむことができます。観光施設も整備されており、アクセスも比較的良好なため、広島県を訪れる際にはぜひ立ち寄ってみたい名所の一つです。

Information

名称
常清滝
(じょうせいだき)

三次・世羅・庄原

広島県