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庄原上野公園

(しょうばら うえの こうえん)

庄原上野公園は、広島県庄原市東本町の市街地の中心部に位置する公園です。広さは16.9ヘクタールで、江戸時代初期の慶安から承応年間(1648年~1655年)にかけて、沼を改修して造られた農業用灌漑池「上野池」を中心に形成されています。上野池は周囲約4kmの大きな池で、公園全体を特徴づける重要な要素です。

歴史と文化的な側面

庄原上野公園には、広島県指定の史跡である「瓢山古墳」があり、歴史的な価値も兼ね備えています。また、庄原市出身の小説家・倉田百三の文学碑が園内に建立されており、文学的な意義もあります。倉田百三は郷里で療養中、この公園を頻繁に訪れ、代表作である『出家とその弟子』などの作品の構想を練ったと伝えられています。このように、庄原上野公園は単なる公園ではなく、地域の歴史や文化が深く根付いた場所です。

桜の名所としての魅力

庄原上野公園は、約2,000本の桜が咲き誇る場所としても有名で、特に春には美しい桜の花が公園全体を彩ります。昭和8年(1933年)から始まった桜の植栽は現在に至るまで続き、日本さくら名所100選にも選ばれています。上野池を中心に植えられた約600本のソメイヨシノは、春になると一斉に花を咲かせ、特に夜間に電飾に照らされた夜桜の美しさは西日本でも有数とされています。

夜桜の魅力

上野池の周囲にはソメイヨシノだけでなく、レンギョウやユキヤナギといった美しい花々も植えられており、桜の開花時期とほぼ同時にこれらの花も咲き始めます。特に夜になると、桜はライトアップされ、その幻想的な雰囲気が多くの訪問者を魅了します。西日本随一と称されるほどの美しさを誇る夜桜は、毎年多くの観光客を引き寄せる一大イベントです。

花火大会と夏の楽しみ

庄原上野公園は、春の桜だけでなく、夏の花火大会も大きな魅力の一つです。上野池の湖畔では、毎年夏になると花火大会が開催され、美しい花火が夜空を彩ります。このイベントは、地元住民だけでなく、観光客にとっても大変人気のある夏の風物詩となっています。しかし、近年では規制が強化されており、一部では歩行が難しいという声も聞かれていますが、それでも多くの人々がこの花火大会を楽しみに訪れています。

自然と歴史が融合した庄原上野公園

庄原上野公園は、自然の美しさと歴史的・文化的な要素が見事に融合した公園です。春には桜、夏には花火と、季節ごとに異なる楽しみ方ができる場所であり、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれます。また、瓢山古墳や倉田百三の文学碑が示すように、庄原上野公園は地域の歴史を学ぶ場としても重要な役割を果たしています。

訪れる際の注意点

庄原上野公園を訪れる際には、桜の開花時期や花火大会など、特定のイベント時期には混雑することが予想されますので、時間に余裕を持って訪れることをお勧めします。また、園内には遊歩道も整備されているため、自然散策を楽しむこともできますが、足元には十分ご注意ください。庄原上野公園は、四季折々の美しさと歴史の息吹を感じられる素晴らしい場所ですので、ぜひ一度訪れてみてください。

Information

名称
庄原上野公園
(しょうばら うえの こうえん)

三次・世羅・庄原

広島県