恐羅漢山は、広島県山県郡安芸太田町と島根県益田市との境に位置する標高1,346.4メートルの山です。単に「恐羅漢」とも呼ばれ、広島県および島根県の最高峰として知られています。
この山は、西中国山地国定公園に位置しており、周囲には標高1200メートルから1300メートルの山々が連なり、雄大な山岳景観を形成しています。山頂付近には豊かな自然が広がり、四季折々の美しい景色が楽しめる人気の山岳エリアです。
恐羅漢山は、中国山地西部の冠山山地に属し、およそ860メートル南西に位置する旧羅漢山(標高1,334メートル)とともに双耳峰を形成しています。山頂には三等三角点「羅漢」が設置されており、標高は1,346.35メートルに達します。
中国山地には頂部がなだらかな山々が多い中、恐羅漢山の周辺は断層に沿った比較的急峻な谷間が特徴であり、その一つが三段峡です。こうした地形により、恐羅漢山は険しい山容を見せ、登山者や自然愛好家に人気のスポットとなっています。
恐羅漢山は、四季を通じてさまざまな楽しみ方ができます。冬季には積雪が3メートルを超えることもあり、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが盛んです。また、春には山菜狩り、秋には紅葉狩りと、季節ごとの自然の恵みを楽しむことができます。
恐羅漢山の南北に伸びる稜線の東斜面には、恐羅漢スノーパークというスキー場が整備されています。冬季にはスキーやスノーボードを楽しむことができ、夏季にはスキー場の麓にある牛小屋高原でキャンプ場を中心としたレジャー施設が営業しています。
スキー場周辺には整備された登山道があり、牛小屋高原からスキー場を通過して直登するルートや、西斜面の台所原から直登するルート、さらに北の夏焼峠や南の旧羅漢山を経由して尾根伝いに登るルートなど、複数の登山ルートが用意されています。
恐羅漢山の尾根伝いのルートは、北は砥石郷山、南は焼杉山を越えて縦走することができます。これらのルートは美しい自然景観を楽しめるだけでなく、豊富な動植物の生息地を観察することができるため、自然愛好家や登山者にとって魅力的なコースとなっています。
恐羅漢山の周囲には、標高の近い山々が連なっています。これらの山々は、それぞれが特徴的な地形や自然環境を持ち、登山やトレッキングの目的地としても人気があります。
以下は、恐羅漢山周辺の主要な山々です:
恐羅漢山は、高津川水系と太田川水系の源流域となっており、その山腹からは亀井谷川や田代川などの支流が流れ出しています。これらの川は、豊かな自然環境を育み、地域の生態系に重要な役割を果たしています。
恐羅漢山へは冬季に限り、広島市内から直行するスキーバスが運行されています。公共交通機関を利用する場合は、このバスを活用するのが便利です。
自家用車で訪れる場合は、中国自動車道・戸河内インターチェンジ(IC)を利用し、国道191号線と広島県道252号恐羅漢公園線を経由して、約17キロメートルの道のりでアクセスできます。このルートは比較的整備されており、安心して山へのドライブを楽しむことができます。
恐羅漢山は、登山や観光だけでなく、地域の自然環境や生態系を理解するための貴重な場所でもあります。訪れる際には、自然環境の保護に十分配慮しながら、その魅力を存分に楽しんでください。