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吾妻子の滝

(あづまこ たき)

吾妻子の滝は、広島県東広島市西条町御薗宇に位置する美しい滝で、「東子の滝」とも書かれることがあります。この滝は高さ約15m、幅約36mの壮大な規模で、黒瀬川にかかっており、水しぶきを上げながら流れ落ちる姿は圧巻です。かつては「千尋の滝」とも呼ばれており、地元の人々や観光客に親しまれています。

菖蒲の前伝説

吾妻子の滝には、源頼政の側室であった菖蒲の前(あやめのまえ)にまつわる伝説が残されています。1180年(治承4年)5月26日、源頼政は宇治平等院釣殿で自刃しました。その後、菖蒲の前は3歳の息子・種若丸を連れて、この東広島の地に逃れてきました。

数日間休んでいたものの、息子の種若丸は病気になり、悲しくも亡くなってしまいました。そのとき、菖蒲の前は「吾妻子や 千尋の滝のあればこそ 広き野原の 末をみるらん」と詠み、滝の名前はこれにちなんで「吾妻子の滝」と呼ばれるようになりました。

吾妻子観音堂と宝篋印塔

滝の西側には「吾妻子観音堂」があり、そこには種若丸の墓と伝えられる宝篋印塔(ほうきょういんとう)が納められています。この観音堂は、菖蒲の前とその息子への追悼の場として地元で大切にされています。

滝の概要と見どころ

「吾妻子の滝」は、東広島市内の街からほど近い場所にありながら、自然の中に広がる絶景スポットです。高さ約15mの滝から勢いよく流れ落ちる水は、季節や天候によって異なる表情を見せ、訪れる人々を魅了します。特に夏場には、水しぶきが涼をもたらし、滝の周囲は豊かな自然に包まれており、散策や観光にぴったりの場所です。

滝の周辺には観音堂や自然散策路が整備されており、歴史的な背景を感じながらゆったりと過ごすことができます。特に、菖蒲の前が詠んだ和歌の碑などが設置されており、歴史と自然が融合した独特の雰囲気が漂います。

アクセス

公共交通機関:

JR山陽本線の西条駅から呉方面行きバスに乗り、「水源地前」バス停で下車後、徒歩約2分で到着します。アクセスも便利なため、日帰り観光にも最適なスポットです。

吾妻子の滝は、東広島市の豊かな自然と歴史が融合した観光名所であり、地元の人々にとっても心の拠り所となっています。ぜひ一度、この地を訪れ、壮大な滝の迫力と、伝説に触れるひとときを楽しんでみてください。

Information

名称
吾妻子の滝
(あづまこ たき)

宮島・広島市

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