広島市にある株式会社亀屋が製造販売する、爪楊枝を刺した上質の求肥に胡桃を加え、きな粉をまぶした素朴なお菓子が、広島銘菓の川通り餅である。川通り餅とは、毛利元就の祖先である毛利師親が、正平5年(1350年)、大勝した戦に向かう途中、川を通った際に鐙に引っかかった小石を神社に奉納し、その小石を餅に見立てて食べる風習から生まれた郷土料理である。しかし長年続いた広島の冬の風物詩「川通り餅」の売り声も戦後はすたれていき、その風習をもう一度、広島の名物として蘇らせたいという願いを込めて創作されたのが、亀屋の川通り餅である。