広島県 » 宮島・広島市

宮島水族館

(みやじま すいぞくかん)

宮島水族館は、広島県廿日市市宮島町に位置する市営の水族館で、その愛称は「みやじマリン」として広く親しまれています。この水族館は、「いやし」と「ふれあい」を基本理念とし、主に瀬戸内海の生き物を展示しています。

廿日市市と合併する以前は、宮島町立の水族館として運営されており、長い歴史を持つ施設です。

概要

宮島水族館では、シンボルとして知られるスナメリをはじめ、アシカやペンギン、コツメカワウソなど多くの生き物が展示されています。その展示数は魚類を含めて約350種、合計13,000点に及びます。特に、入口にある大型の回遊水槽は訪れる人々を魅了する目玉の一つです。

また、最近では水浴びの際に直立するワニがメディアで紹介され、その愛らしい姿が人気を集めています。

展示ゾーン

宮島水族館は、以下の10のゾーンとプールエリアで構成されており、それぞれが異なるテーマで瀬戸内海やその周辺の生態系を紹介しています。

宮島の干潟

このゾーンでは、嚴島神社大鳥居周辺の干潟を再現し、瀬戸内海の干満の差が生み出す広大な干潟に生息する多様な生き物たちを紹介しています。

海のめぐみ

広島を代表する風景であるカキいかだを再現したゾーンです。ここでは、瀬戸内海に馴染み深い魚たちと共に、カキいかだの様子が展示されています。

山から海へ

廿日市市の上流域から河口域までの里山風景を再現し、そこに住む生物たちを紹介しています。

いやしの海

このゾーンでは、回遊する魚群や岩のくぼみに隠れる生き物たちを観察でき、海の中での生き物たちのすみわけを学ぶことができます。

瀬戸内のくじら

瀬戸内海に生息するスナメリを中心に紹介するゾーンです。スナメリはイルカの仲間でありながら背びれがないという特徴を持ち、かつては宮島周辺でも見られた身近な存在でしたが、現在は希少な生物となっています。

海の神秘

暗い海中で直立するタチウオや、夜行性、発光性の生物を紹介するゾーンです。特に、タチウオの長期飼育は全国でも珍しい試みです。

生きもののからだと暮らし

このゾーンでは、海の生き物たちが長い進化の中で獲得してきた独特の容姿や生活様式、食事法を紹介し、その理由を探ることができます。

せとうち研究所

飼育員による解説コーナーで、訪れる人々に生き物たちの「なぜ?」に答えます。実演を通じて、生き物たちの興味深い生態を深く理解することができます。

ふれあいの磯

ここでは、磯に生息する生き物を間近で観察し、直接触れる体験ができます。ジャブジャブタイムでは、はだしで水に入ることができ、子供たちにも人気のエリアです。

沿革

宮島水族館は1959年(昭和34年)に広島県立水産資源研究所として設立されました。1967年(昭和42年)には広島県から宮島町に移管され、宮島町立水族館としてリニューアルオープンしました。2005年(平成17年)には、宮島町が廿日市市に編入されたことに伴い、名称が現在の「宮島水族館」に改称されました。

その後、2008年(平成20年)にはリニューアル工事のため一時休館し、2011年(平成23年)8月1日に再びオープンしました。リニューアル後は、「みやじマリン」という愛称が一般公募で決定され、現在まで使用されています。

主な展示生物

宮島水族館では、多種多様な海洋生物が展示されています。特に、以下の生物は来館者に人気です。

スナメリ

可愛らしい姿で訪れる人々を魅了するスナメリは、宮島水族館のシンボル的存在です。

コツメカワウソ

給餌時に岩の上に直立したり、ガラス窓を登ったりする姿が人気のコツメカワウソも見どころの一つです。

ゴマフアザラシ

温厚な性格で、ゆったりとした動きが特徴のゴマフアザラシ。

シロワニ

大きな体で迫力満点のシロワニも展示されています。

クリオネ

その幻想的な姿から「天使のようだ」と評されるクリオネ。

カリフォルニアアシカ

アシカの中でも特にパフォーマンスで有名なカリフォルニアアシカ。

オタリア

オタリアは、そのユニークな外見と行動で来館者を楽しませてくれます。

トド

力強い泳ぎを見せるトドも、訪れる人々にとって印象深い展示の一つです。

フンボルトペンギン

ペンギンプールでは、フンボルトペンギンが空を飛ぶように泳ぐ姿を真下から観察することができます。

チンアナゴ

砂の中から顔を出す姿が特徴的なチンアナゴも、宮島水族館で見ることができます。

マダラトビエイ

エイの仲間であるマダラトビエイも展示されており、その独特な動きが目を引きます。

モモイロペリカン

大きな体でゆったりと泳ぐモモイロペリカンも展示されています。

以前、ラッコが展示されていた時期もありましたが、繁殖のため鳥羽水族館へ移送されました。また、その後に展示されていたイロワケイルカは現在は展示されていません。

見られるショー

宮島水族館では、2013年5月以降、以下のショーが実施されています。

アシカライブ

毎日、アシカが楽しいパフォーマンスを披露する「アシカライブ」は、観客に大人気です。

生きものおもしろ講座

飼育員が生き物についての興味深い講座を行い、訪れる人々に知識を提供します。

カワウソお食事タイム

カワウソの食事風景を間近で観察できる「カワ ウソお食事タイム」も人気のプログラムです。

周辺施設

宮島水族館は、観光地である厳島神社や、弥山登山道、宮島ロープウエーなどの施設からも近く、観光ルートとして非常に人気のあるエリアです。観光客は水族館を訪れた後、これらの観光スポットも楽しむことができます。

アクセス

宮島水族館へは、宮島口駅からフェリーに乗り、宮島桟橋で下船後、徒歩約20分で到着します。また、宮島桟橋から観光循環バスも運行しており、バスを利用すれば約5分で到着することができます。

宮島水族館は、広島県を訪れた際に立ち寄るべき観光スポットの一つです。瀬戸内海の生態系を楽しみながら、子供から大人まで幅広い層が学べる施設として、地域に根ざした水族館となっています。

Information

名称
宮島水族館
(みやじま すいぞくかん)

宮島・広島市

広島県