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湯来温泉

(ゆき おんせん)

湯来温泉は、広島県広島市佐伯区湯来町大字多田に位置する歴史ある温泉地です。この地域は、かつて旧国安芸国に属しており、近くには湯の山温泉もあります。そのため、これらの温泉は「湯来・湯の山温泉」と総称されることもあります。湯来温泉は「広島の奥座敷」として知られ、美しい自然に囲まれた静かな温泉街が広がっています。

泉質と温泉街の魅力

湯来温泉の泉質は、単純弱放射能温泉で、源泉の温度は約29.8℃です。温泉街は打尾谷川沿いに展開しており、宿泊施設として国民宿舎「湯来ロッジ」や1軒の旅館が存在します。かつては共同浴場がありましたが、2000年に閉鎖されました。しかし、2019年に「湯来温泉湯元貸切露天風呂 誠の桧湯」としてリニューアルオープンし、再び温泉街に賑わいをもたらしています。

湯来温泉は、中国山地の山峡に湧き出る名湯であり、その美しい自然環境と相まって、温泉街は「広島の奥座敷」と称されています。この地では「山ふぐ」と呼ばれるこんにゃく料理が名物で、訪れる観光客は温泉だけでなく、この独特の料理も楽しむことができます。

湯来温泉の歴史

湯来温泉の歴史は、1500年前に遡るとされています。開湯伝説によれば、渓流のほとりで傷ついた白鷺がその傷を癒していたのを村人が発見し、その場所が源泉であることがわかったとされています。このように、白鷺にまつわる伝説が残る温泉地は、日本各地に存在し、湯来温泉もその一つです。

湯来温泉は、慶長年間(1596年~1615年)には芸陽唯一の温泉場として賑わいを見せていました。江戸時代には「多田村温泉」とも呼ばれ、その名が広く知られていました。1950年には温泉の再開発が行われ、「広島湯来温泉」と命名され、新たな温泉地としての歴史が刻まれることとなりました。

湯来温泉の進展と現状

1955年7月4日には、湯来温泉が国民保養温泉地に指定され、続いて1972年には湯の山温泉も追加指定されました。その後、1991年7月18日には、両温泉が国民保健温泉地に指定されるなど、湯来温泉と湯の山温泉はその効能と自然環境の豊かさが認められ、広く知られることとなりました。

2009年11月には、広島市が運営する国民宿舎「湯来ロッジ」がリニューアルオープンし、湯来町の体験型観光の拠点として「湯来交流体験センター」も併設されました。この施設では、BBQやキャンプ、テントサウナ、こんにゃく作り、クラフトなどの多彩な体験が可能です。また、シャワークライミングやトレッキングなど、アクティブな体験プログラムも提供されています。

さらに、2019年12月には、かつての共同浴場が「湯来温泉湯元貸切露天風呂 誠の桧湯」として、19年ぶりに復活しました。この新たな施設は、プライベートな空間で温泉を楽しめる場として、再び訪れる人々を迎えています。

湯来温泉のアクセス

湯来温泉へは、山陽本線(JR西日本)の五日市駅から広電バスで約70分の距離にあります。自動車でのアクセスも便利で、中国自動車道の戸河内インターチェンジからは約25分、山陽自動車道の五日市インターチェンジからも約25分の距離です。温泉地へは、自然に囲まれた道を進むことができ、訪れる人々にとってリフレッシュのひとときとなるでしょう。

湯来・湯の山温泉郷について

湯来温泉と湯の山温泉は、古くから湯治場として多くの人々に親しまれてきました。初夏の若芽や秋の紅葉、清流が流れる谷川など、四季折々の自然美が広がるこの地域は、保養や療養を目的とした宿泊客が多く訪れます。湯来温泉は、1955年に国民保養温泉地に指定され、その後、湯の山温泉も1962年に指定されました。また、1991年には、環境庁の「国民保健温泉地」にも指定され、自然と温泉の効用が広く認知されています。

湯来温泉にまつわるエピソード

湯来温泉は、歌手村下孝蔵のデビュー曲「月あかり」(1980年)のモデルとなった場所としても知られています。また、かつては「湯来温泉三湯めぐり」ができる「入湯手形」が販売されており、温泉地を巡る楽しみ方が提案されていました。湯来温泉は、その歴史と自然の魅力を持ちながら、訪れる人々に癒しのひとときを提供しています。

湯来温泉は、その豊かな自然環境と歴史のある温泉地として、訪れる人々にとって特別な場所となっています。広島市内からのアクセスも良好で、自然と温泉を楽しむには最適なスポットです。是非、広島の奥座敷とも呼ばれる湯来温泉で、日常の喧騒から離れた癒しの時間をお過ごしください。

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湯来温泉
(ゆき おんせん)

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