広島市現代美術館は、広島県広島市南区に位置する現代美術を専門とした美術館です。1989年5月3日に開館し、日本初の公立現代美術館としてその歴史をスタートさせました。建物の設計は、著名な建築家である黒川紀章氏によるもので、美術館は広島市内を見渡せる小高い山である比治山公園内に位置しています。自然との調和が意識されたデザインで、訪れる人々に豊かな景観を提供しています。
広島市現代美術館の建物は、黒川紀章氏の独自の「共生の思想」を体現したものです。設計においては、垂直軸に沿って下から順に自然石、タイル、アルミといった素材が変化していくデザインが採用されており、これにより過去から未来への文明の発展や時間の流れを象徴しています。建物は比治山公園の自然環境と一体となりながら、その先駆性を表現しています。
広島市現代美術館では、主に第二次世界大戦後に制作された現代美術作品や、若手芸術家の作品を展示しています。常設展では、1,500点以上に及ぶ所蔵作品が紹介されるほか、定期的に企画展も開催され、訪れる人々に新たな視点から現代美術を楽しんでいただける機会を提供しています。また、ワークショップや講座、アーティストとのトークイベントなども実施され、さまざまな形で現代美術の魅力に触れることができます。
広島市現代美術館には、国内外の著名なアーティストによる数々の作品が収蔵されています。その中には、以下のような作品があります:
その他にも多くの素晴らしい作品が展示されており、現代美術の多様な表現に触れることができます。
美術館内には、美術に関するさまざまな図書を閲覧できるメディアライブラリーがあります。ここでは、美術に関連した書籍や資料を自由に利用できるほか、無料の展示や映像上映、イベントなどが不定期で開催されています。利用は無料で、いつでも気軽に訪れることができます。
美術館内のミュージアムショップ「339」では、展覧会やコレクションに関連したグッズや、広島のデザイナーや工芸作家によるアイテムを販売しています。訪れる人々が美術館の思い出を持ち帰ることができるよう、多彩な商品が揃えられています。
美術館周囲には彫刻の広場があり、18点の彫刻作品が設置されています。広場は、美術館を訪れる人々が自然の中でアートを楽しむことができる場所として親しまれています。
美術館内には、明るく開放的なカフェ「KAZE」があり、彫刻の広場に面しています。天気の良い日には、屋外テラスでリラックスしながらコーヒーや軽食を楽しむことができるほか、アート鑑賞の合間にくつろぎの時間を提供します。
広島市現代美術館は、リニューアル工事のため2020年12月28日から休館し、館内の全面改修を実施しました。そして、2023年3月18日に再びその扉を開き、より充実した施設とサービスで皆様をお迎えしています。リニューアル後は、展示解説や託児サービスなど、観覧時のサポートがさらに充実し、訪れる人々にとってより快適で楽しい美術鑑賞の場となりました。
この美術館は、広島の文化と現代美術を愛する多くの人々にとって、これからも重要な役割を果たし続けるでしょう。