広島市交通科学館は、広島市安佐南区にある屋内型の科学館(登録博物館)です。1995年(平成7年)3月18日にアストラムライン長楽寺車庫の人工地盤上に開館しました。館のテーマは「乗り物と交通」で、2000点を超える乗り物の模型やその情報を展示し、体験型の展示も充実しています。また、特定のテーマに基づいた企画展や子供向けの工作教室も随時開催されています。
2015年(平成27年)6月1日から、近隣にある沼田自動車学校を運営する「株式会社アフィス」が命名権を取得し、名称を「ヌマジ交通ミュージアム」と改めました。
広島市交通科学館は4階建てで、屋外広場も併設されています。建物の外観はエンジンをイメージしてデザインされており、1階と屋外広場は無料で利用できますが、2階以上は有料となっています。当初の観覧券には様々な乗り物の模型がデザインされていましたが、現在は廃止されています。
1階にはミュージアムショップ、多目的ホール、ライブラリーがあり、一部の企画展示もここで行われます。ライブラリーには多くの交通や乗り物に関する図書やビデオが揃っており、無料で利用することができます。
2階には、2000点を超える陸海空の世界の乗り物の模型が展示されています。館内には「ハイパーブック」と呼ばれる端末装置が設置されており、これらの乗り物についての詳細な情報を調べることができます。また、「シティランナー」では、仮想都市「ビークルシティ」に入り込み、自転車や電車を運転する感覚で街を移動する体験ができます。「エポックシーン」では、陸海空それぞれの乗り物に関連した歴史的な場面をミニジオラマで再現しています。さらに、TGVの車輪や船のスクリュー、レーシングカーのタイヤ、ジェット機のタービンフィンなどの実物も展示されており、各乗り物のエネルギーの最終出力部分を観察することができます。特別展示室では、年に数回、企画展示が行われています。
3階と4階は吹き抜け構造になっており、直径20mの巨大な近未来交通パノラマ模型「ビークルシティ」が設置されています。この「ビークルシティ」は、空想の世界ではなく、開館当時に近未来に実現可能と考えられていた技術を模型化して都市として表現したものです。ビークルシティを見下ろすように「ビューカプセル」が配置されており、カプセル内では映像と音響でビークルシティの内部を擬似体験したり、交通や乗り物についての解説を視聴することができます。
屋外広場にはサイクルロードやカート広場があり、ユニークな乗り方をするおもしろ自転車や幼児対象のバッテリーカートを楽しむことができます。また、広島電鉄650形電車の654号車(被爆電車)が屋外保存・展示されています。この電車は、2006年(平成18年)7月21日から展示が開始され、2015年には1945年当時の塗装に塗り替えられました。
9時から17時まで。展示室への入場およびおもしろ自転車の発券は16時30分までです。
月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月29日から1月3日)。月曜日が祝日の場合は開館し、次の平日が振替休館となります。
一般料金は510円(団体30人以上で410円)、高校生は250円(団体200円)、中学生以下は無料です。アストラムライン長楽寺駅の改札内にある「利用証明書」を持参すると、団体料金と同額に割引されます。また、本館1階への入館と屋外広場への入場は無料です。おもしろ自転車とバッテリーカートの利用料金はそれぞれ1回30分で100円です。
乗用車用の無料駐車場が78台分用意されています。
1階にはアストラムライン型自動販売機、3階には中が見えるスケルトンの自動販売機があり、かつては隠れたポイントでしたが、現在は撤去されています。また、ミュージアムショップには路面電車の実物の運転席が展示されています。屋外広場の一番奥には「腕木機械信号機」が展示されており、懐かしい姿を楽しむことができます。しかし、カフェレストラン「シャトル」は2017年3月に閉店しました。
無料駐車場も利用可能です。