大頭神社は、推古天皇11年(603年)に創祀されたと伝えられ、嚴島神社の摂社として知られています。かつては嚴島兼帯七社の一つに数えられ、古くから多くの信仰を集めてきました。 もともとは郷桑原に鎮座していましたが、大正2年(1913年)に現在の場所に遷座しました。この神社は、古代から「安芸国神明帳」にも記載されており、古くからの歴史を持つ由緒ある神社です。
鎌倉時代には、正安2年(1300年)の記録によると、複数の社殿が建ち並び、既に壮大な神社であったことがわかっています。また、平清盛の時代から毎年米五十三石余りが奉納され、毛利元就公の時には二十三石、福島正則公の時には十六石、江戸時代に至っても十二石の社領米を持っていたと伝えられています。さらに、寛永14年(1637年)には再建された棟札も保存されています。
『日本書紀』には、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が火之迦具土神(ひのかぐづち)を斬った際、その首が大山祇命となり、身中が中山祇命(椎宮神社)、手が麓山祇命(三鎗社)、腹が奥山祇(原神社)へと変わったと記されています。大頭神社はこの伝承に基づき、大山祇命を祀ることから「大頭神社」と名付けられ、周囲の四末社は他の部分から成った神々を祀る分社として存在しています。
大頭神社は、嚴島神社の摂社として推古天皇が創祀し、1400年以上の歴史を誇る名社です。この神社は、大野地域の氏神様として、また疫病退散の象徴としても広く崇敬されてきました。神社の側には「妹背(いもせ)の滝」があり、源流の異なる二つの滝が合流し、最終的に一つとなることから、良縁や夫婦円満の象徴として親しまれています。
また、境内を抜けると遊歩道があり、妹背の滝や経小屋山への登山道へと続いています。多くの参拝者が登山前に安全祈願をし、その後登山に向かうというのもこの神社の特徴の一つです。風光明媚な立地と、歴史的な趣を持つ大頭神社へぜひお参りください。
大頭神社の御祭神は以下の神々です。
本殿は三間社流造で、間口四間、奥行三間の規模です。昭和56年(1979年)に再建され、令和3年(2021年)には改修が行われました。
境内地は750坪あり、風情ある佇まいを見せています。さらに、神社には以下の境外社も存在します。
大頭神社の例祭は毎年10月第4日曜日に執り行われ、旧例祭日は旧暦9月28日となっています。
大頭神社には以下の付属社殿が備わっています。
幣殿と拝殿は木造重層建築で、富士の浅間大社とともに他に例のない建築様式を誇っています。
神社の境外地は6,000坪に及び、広大な敷地を持っています。
大頭神社では、例祭以外にも特殊な神事が行われます。特に「四鳥の別れ(御烏喰神事)」や「獅子舞神事」は、この神社の伝統的な神事として知られています。
境内には、報国神社(英霊四六四柱)や稲荷社、荒神社といった社も祀られています。