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海の見える杜美術館

(うみ みえる もり びじゅつかん)

海の見える杜美術館は、広島県廿日市市大野亀ヶ岡に位置し、美しい瀬戸内海の景色を眺めながら、日本や海外の貴重な美術品を楽しめる美術館です。1981年に新宗教団体「平等大慧会」が設立し、同団体の設立者である梅本禮暉譽(本名・梅本武)が長年にわたって収集したコレクションを展示しています。

収蔵品について

美術館の収蔵品は、中世から近代にかけての日本美術が中心で、特に竹内栖鳳やその弟子たちによる京都の近代日本画が多く所蔵されています。これらの作品は昭和60年(1985年)に思文閣から購入された資料が根幹となっており、数千点に及ぶ粉本やスケッチ、写真などの貴重な資料が含まれています。また、歌川広重の浮世絵や中国版画も多数所蔵されており、浮世絵に影響を与えたとされる中国版画も見どころの一つです。

香水瓶コレクション

海の見える杜美術館は、古代から現代にかけての香水瓶コレクションを誇ります。これらの香水瓶は、5000年の歴史を持ち、香りの文化が神への供え物として始まった歴史的背景と、その器に求められた美しさを表しています。さまざまな時代の香水瓶が展示され、訪れる人々にその文化の奥深さを感じさせます。

浮世絵コレクション

館内には、江戸時代から明治時代にかけての浮世絵も豊富に収蔵されています。特に歌川広重の花鳥版画や西南戦争錦絵のコレクションは、質と量ともに非常に充実しており、国内外で高く評価されています。

物語絵

物語絵は、昔から貴族や武士たちの物語を絵で表現したもので、美術館では室町時代から江戸時代にかけての絵巻や絵本など約50点を所蔵しています。これらの作品には、姫君と貴公子の恋物語や武士たちの勇壮な戦い、妖怪や天狗の冒険など、多彩なテーマが描かれています。

竹内栖鳳と近代日本画

竹内栖鳳(1864〜1942)は、京都を拠点に活躍した近代日本画家で、伝統的な日本画に西洋の写実主義を取り入れ、日本画の近代化を進めました。当館には彼の代表作「羅馬之図」をはじめ、初期から晩年までの作品や書簡、下絵などが収蔵されています。

また、栖鳳だけでなく、彼の弟子たちや同時代の画家たちの作品も所蔵しており、明治期以降の日本美術界で活躍した個性的な画家たちの作品も展示されています。これにより、近代日本画の発展とその多様性を感じることができます。

中国版画

中国版画も、海の見える杜美術館の特色あるコレクションの一部です。清朝時代の民間で流通したこれらの版画は、浮世絵に大きな影響を与えたとされています。特に美人画や風景画、花鳥画など多岐にわたるジャンルの作品が含まれ、当館は世界でも有数の所蔵館として知られています。

沿革

海の見える杜美術館の前身は、昭和56年(1981年)に設立された王舎城美術寶物館です。この美術館は、梅本禮暉譽が収集した美術品を一般公開するために設立されました。その後、平成17年(2005年)に全面改装が行われ、現在の「海の見える杜美術館」として再オープンしました。

美術館周辺施設

美術館の周辺には、王舎城宝殿本部道場など、宗教団体「平等大慧会」に関連する施設が点在しています。その他、鹿児島県には教団の関連施設として、多宝佛塔涅槃城があり、宗教的な背景と美術が融合した独自の空間が広がっています。

杜の遊歩道

美術館のアプローチとして整備された「杜の遊歩道」は、四季折々の草花を楽しめる散策路です。世界文化遺産・厳島神社を望む瀬戸内海の自然豊かな景観を背景に、訪れる人々にリラックスできる憩いの場を提供しています。

利用情報

所在地

広島県廿日市市大野亀ヶ岡10701

開館時間

10:00~17:00(最終入館は16:30まで)

休館日

月曜日(祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)、展示替え期間、2月11日、5月7日、11月11日

入館料

一般:1,000円、高校生・大学生:500円、中学生以下:無料。障がい者手帳をお持ちの方は半額で、介添えの方1名は無料です。団体(20名以上)は各200円引き。

駐車場

お客様用駐車場は無料で、自家用車100台、バス10台が駐車可能です。

レストラン

敷地内にはフレンチレストラン「SEIHO OMBRAGE」(セイホウ・オンブラージュ)や「杜の休憩所」などのお食事処があり、展覧会の合間にお食事を楽しめます。また、遊歩道には約800本の桜が植えられており、春には美しい桜並木が広がります。

交通アクセス

山陽本線「宮島口駅」または広島電鉄「広電宮島口駅」からタクシーで約10分。山陽自動車道「大野I.C.」から車で約10分。

Information

名称
海の見える杜美術館
(うみ みえる もり びじゅつかん)

宮島・広島市

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