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黄金山

(おうごんざん)

黄金山は、広島県広島市南区の南東部に位置する標高221.7mの山です。この山は、その美しい景観と豊かな歴史から、地元の人々や観光客に愛され続けています。黄金山は東に坂町・呉方面、北に安佐南区、西に西区、そして南には広島湾と太田川デルタを一望できる立地にあります。このため、特に東方から広島市に向かう道路や鉄道からは、広島のランドマークとしても知られています。

憩いの場としての黄金山

昼間は自然に囲まれた憩いの場として、地元の人々やハイキング愛好者に親しまれています。山頂からは広島市内を一望でき、四季折々の風景が楽しめるため、訪れる人々は絶えません。春には登山道沿いに咲く桜が見事で、山全体が桜色に染まり、花見の名所としても知られています。また、夜には広島市でも有数の夜景スポットとして、多くの人が訪れます。山頂から見る広島の夜景は、まさに息をのむ美しさです。

黄金山の地名の由来

黄金山は、かつて「馬耳山」や「城山」と呼ばれていました。これらの名前は、山の形状や、山頂に築かれた仁保城(にほじょう)に由来しています。現在の「黄金山」という名前の由来にはいくつかの説があります。その一つは、瀬戸内海特有の夕陽に照らされて山が黄金色に輝いて見えたからだと言われています。また、昔は航海の安全を祈って狼煙(のろし)を上げ、その火が天を焦がすほどの勢いだったという話や、麦畑の穂が黄金色に輝いていたという説もあります。さらに、地元では「白い実をつける南天の根元を掘ると小判(黄金)が出る」という伝説も伝わっています。

黄金山の歴史

黄金山は、広島市中心部にある太田川デルタ地帯がかつては海であった頃、広島湾に浮かぶ島「仁保島」として存在していました。室町時代には、この島に仁保城が築かれ、重要な拠点となっていました。江戸時代になると広島湾の干拓が進み、仁保島は広島市の一部として地続きになりました。その後、1662年には東新開(現在の東雲)の造成により、仁保島は比治山・段原などと地続きになりました。

明治以降、黄金山は行政上安芸郡仁保島村に属していましたが、1929年に広島市に編入され、「仁保町」となりました。戦後、1956年には市営住宅の建設が進み、山腹は宅地化が進行しました。また、1958年には登山道路が開削され、1959年には山頂にテレビ塔が設置されるなど、黄金山は公園(黄金山緑地)として整備されました。山頂には展望台やレストハウスが設けられ、訪れる人々を迎えています。1966年には町名が「黄金山町」と変更されました。

黄金山の現在

現在の黄金山は、広島市内でも有数の観光スポットとして知られています。特に春の桜や秋の紅葉は見事で、多くの観光客が訪れます。また、黄金山は「黄金富士」とも呼ばれることがあります。これは、山の形状が富士山に似ていることから付けられた愛称です。黄金山の夜景は、広島市内の夜景スポットの中でも特に人気があります。週末にはデートスポットとしても人気があり、多くのカップルが訪れます。

黄金山のアクセス

黄金山へのアクセスは非常に便利です。広島電鉄のバス4号線を利用し、「広島駅前」または「県庁前」から「東本浦」または「仁保一丁目」で下車し、登山道入り口まで歩くことができます。また、「仁保車庫行(仁保南経由)」のバスを利用する場合は、旭が丘団地入り口で下車し、登山道を登ることができます。車を利用する場合、国道2号線本浦交番前の交差点から登山道入り口まで進み、そこから徒歩で約50分ほどで山頂に到着します。

注意点

黄金山緑地内は、犯罪防止を目的として、1971年7月16日より23時から5時の間は立ち入り禁止となっています。夜景を楽しむ際には、この点に注意が必要です。また、登山道は比較的整備されていますが、季節や天候によっては滑りやすくなることもありますので、適切な装備で訪れることをお勧めします。

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黄金山
(おうごんざん)

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