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国立広島原爆死没者追悼平和祈念館

(こくりつ ひろしま げんばく しぼつしゃ ついとう へいわ きねんかん)

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、広島県広島市中区中島町にある広島平和記念公園内に設置された国立の施設です。この祈念館は、1945年8月6日に広島市への原子爆弾投下によって亡くなった方々、そしてその後に亡くなった被爆者を追悼し、世界平和を祈るために建てられました。

概要

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、2002年8月1日に広島平和記念公園内に開館し、国立の追悼施設としては初めて広島に設置されました。設計を担当したのは、著名な建築家である丹下健三氏です。この施設は地下2階建ての構造で、地下1階には情報展示コーナーと体験記閲覧室があり、地下2階には平和祈念・死没者追悼空間と遺影コーナーが設けられています。

祈念館は、原爆死没者慰霊碑や広島平和記念資料館、そしてレストハウスに隣接しており、広島の平和の象徴的な場所の一つです。祈念館の設立は、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第41条に基づいており、原爆による惨禍を後世に伝えること、そしてその犠牲者を追悼し、恒久的な平和を願うための施設として運営されています。

法的背景

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第41条では、国が広島市と長崎市に投下された原子爆弾による死没者を追悼し、恒久の平和を祈念するため、原爆の惨禍に対する国民の理解を深め、その体験を後世に継承することが定められています。この法律に基づき、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が設立されました。

活動と収蔵品

祈念館では、原爆で亡くなった被爆者の名前や遺影の収集を行っています。開館時には4,804人の遺影が登録されており、2004年8月には1万人を超える被爆者の遺影が登録されました。また、被爆体験記や追悼記の募集も行っており、さらに在外被爆者の証言ビデオの作成も進めています。これまでに205人分の証言ビデオが制作され、館内で公開されています。これらの映像は広島平和記念資料館を通じて貸し出しも行われています。

祈念館には、被爆者による体験記や証言映像、そして郷土や原爆、平和に関連する書籍が収蔵されています。これらの資料は、訪問者が自由に閲覧できるようになっており、平和教育や歴史の理解に役立つ重要な資源となっています。

特別な登録と展示の更新

2020年には、被爆した16人のイエズス会外国人神父や修道士の名前と遺影が新たに登録されました。これにより、国内外の被爆者を追悼する取り組みがさらに拡大しています。また、2022年12月から2023年3月にかけて、企画展向けの展示室の改装工事が行われ、施設が全面リニューアルされました。この改装により、より多くの人々が平和の重要性を感じられる展示が整備されました。

平和祈念館の役割と未来

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、広島平和記念公園内の他の施設とともに、広島の歴史的な悲劇を未来に伝え続ける重要な役割を果たしています。この祈念館を訪れることで、人々は原爆の悲惨さとその後の復興、そして平和への強い願いを感じることができます。また、祈念館は広島の歴史を学び、世界平和を目指す人々にとって大切な学びの場となっています。

まとめ

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、原爆で亡くなった方々を追悼し、世界平和を祈る場所として、その存在は非常に重要です。多くの資料や証言が収蔵され、訪問者は平和の意義と核兵器廃絶の必要性を深く考える機会を得ることができます。広島の平和への思いを未来に伝えるこの施設は、広島平和記念公園内の重要なシンボルとして、今後も人々に希望と平和のメッセージを送り続けるでしょう。

Information

名称
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
(こくりつ ひろしま げんばく しぼつしゃ ついとう へいわ きねんかん)

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