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ホボロ島

(ホボロじま)

ホボロ島は、広島県東広島市に位置する無人島です。もともとは豊田郡安芸津町(あきつちょう)に属していましたが、2005年2月7日に安芸津町が東広島市に編入されたため、現在は東広島市の一部となっています。この島は、地元で「ホボロ」と呼ばれる竹かごをひっくり返したような形をしており、その形状から「ホボロ島」という名前が付けられました。

ホボロ島の伝説

地元には、この島にまつわる伝説があります。島が嫁入りしてきた女性のように、松の木や周囲の島々からの励ましにもかかわらず、少しずつ痩せ細っていくという話です。この伝説が示す通り、ホボロ島は年々その大きさが縮小しており、島の消滅が懸念されています。

島の地形と変化

昭和時代中期に発行された国土地理院の地形図によれば、昭和3年に作成された地図では、ホボロ島の高さは21.9メートルと記録されています。当時の島は「竹かご」のような小山を持つ姿で知られていました。しかし、21世紀初頭の現在では、満潮時にかろうじて岩が顔をのぞかせる程度にまで縮小しています。

ホボロ島の急速な縮小

この急激な景観の変化の原因として、島を構成する凝灰岩がナナツバコツブムシという小さな生物によって侵食されていることが明らかになっています。広島大学名誉教授である沖村雄二氏による調査によれば、このナナツバコツブムシが島の岩を生物侵食し、その結果、島が次第に小さくなっていることが確認されました。

生物侵食と消滅の危機

2007年の時点で、ホボロ島の高さは満潮時でわずか6メートルとなっており、かつての姿とは大きく異なるものとなっています。このままのペースで侵食が進むと、100年後には島自体が完全に消滅してしまうとも言われています。ホボロ島はまさに、自然の力によりゆっくりと姿を消しつつある「儚き島」と言えるでしょう。

ホボロ島の周辺環境

ホボロ島は、安芸津町赤崎海岸の沖合に位置しています。周辺は静かな海域であり、牡蠣の養殖が盛んに行われています。島の近くには、カキの養殖を行うための牡蠣イカダが並び、島の周辺を訪れる人々にとっては、養殖風景とともに自然の風景を楽しむことができるエリアとなっています。

ホボロ島の未来

ホボロ島は、ナナツバコツブムシの生物侵食や波による浸食の影響を受け続けています。これにより、今後も島の縮小が続き、やがて完全に消えてしまうと考えられています。自然の力がもたらすこの島の変化は、人間の営みとは無関係に進行しており、その消滅を阻止することはほぼ不可能とされています。ホボロ島は、自然の力を実感させる象徴的な場所となっているのです。

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ホボロ島
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