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ウッドワン美術館

(Wood One Museum of Art)

ウッドワン美術館は、広島県廿日市市吉和に位置する広島県の登録博物館です。この美術館は、公益財団法人ウッドワン美術館によって運営され、同地に発祥を持つ住宅建材メーカーウッドワンが所蔵する美術品を基に作品展示を行っています。

美術館のコレクション

ウッドワン美術館のコレクションは、近代日本絵画マイセン磁器アール・ヌーヴォーのガラス作品清代の陶磁器、および幕末・明治期の薩摩焼の5つの主要分野に分類されています。この美術館は、605点の近代日本絵画(日本画310点・洋画295点)を中心に、約150点のマイセン磁器、100点のガラス作品、約80点の清代陶磁器、約70点の薩摩焼を所蔵しています。さらに、ルノワールやゴッホといった世界的な画家の作品も所蔵しており、近年ではオークションで名画を高額で落札し、注目を集めました。

沿革と設立背景

ウッドワン美術館は、株式会社住建産業(現・株式会社ウッドワン)が設立した財団によって、1996年9月に開館しました。この美術館は、ウッドワンの元社長であり初代館長でもあった中本利夫の出身地である吉和に設立されました。標高600メートルの高地に位置し、周囲を豊かな自然に囲まれた環境で、美術品を鑑賞することができます。訪れる人々は、原生林や清らかな小川に囲まれた静寂の中で、貴重な美術品を楽しむことができます。

主な収蔵作品

岸田劉生「毛糸肩掛せる麗子肖像」(1920年)

ウッドワン美術館で特に注目されている作品の一つが、岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」です。この作品は、美術館の目玉となっており、その落札時には大きな話題を呼びました。岸田劉生は日本の洋画家として高い評価を受けており、この作品もその代表作の一つとして知られています。

フィンセント・ファン・ゴッホ「農婦」(1884-85年)

ウッドワン美術館が所蔵するもう一つの重要な作品は、フィンセント・ファン・ゴッホの「農婦」です。この作品は、ゴッホがオランダのニューネンに滞在していた頃に描かれた習作の一つです。1950年代に修復が行われた際に一部の筆致が失われてしまったものの、2003年に日本のオークションに出品され、ゴッホ美術館の鑑定によって真筆と認定されました。このオークションで、予想落札価格が1万円であったにもかかわらず、6600万円で落札され、その出来事が大きな話題となりました。

ルノワールの名作

ウッドワン美術館は、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品も所蔵しており、特に「花かごを持つ女」と「婦人習作」の2点は美術ファンの注目を集めています。ルノワールは印象派の巨匠として世界中に知られており、その作品は非常に高い価値を持っています。

その他の収蔵作品

美術館には、中国清代の陶磁器アール・ヌーヴォーの時代に作られた美しいガラス作品、そして幕末・明治期に製作された薩摩焼など、歴史的価値の高い芸術品も数多く展示されています。これらの作品は、歴史や文化を感じさせるものとして多くの来館者に感動を与えています。

周辺環境と観光スポット

ウッドワン美術館が位置する広島県廿日市市吉和は、株式会社ウッドワンの発祥地でもあり、中国山地の豊かな自然に恵まれたリゾート地です。周辺には、県立もみのき森林公園魅惑の里といった自然と触れ合えるレジャー施設があり、ゴルフ場や乗馬クラブ、温泉施設も充実しています。隣接する温泉施設「クヴェーレ吉和」では、4万5千年前のカウリの木を使った露天風呂や各種クア設備が楽しめるため、美術鑑賞の後にリラックスするのに最適なスポットです。

このように、ウッドワン美術館は美術愛好家だけでなく、自然を楽しむ人々にも魅力的なスポットです。広島県廿日市市の豊かな自然の中で、貴重な美術品をゆったりと鑑賞できる贅沢な時間を提供してくれるこの美術館に、ぜひ一度訪れてみてください。

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名称
ウッドワン美術館
(Wood One Museum of Art)

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